トップページ

アーケードゲーム トップ

アタリ ペーパーボーイをプレイ


今回はアタリのペーパーボーイをプレイします。このゲームは以前紹介した同じアタリの720°と同
じシステム基板で動きます。これはアタリ720°でも書いた事なのですが、とにかく基板のサイズが
でかい!基板は2枚組なのですが、これを縦に接続して使用します。一枚でも大きいのが縦に繋が
る訳なので、そりゃあもうやたらでかくなるのが特徴。ちなみにこれで行くと基板全長が92.3cmにも
なります。これでは余りにも扱いにくいので、まずは720°の時と同じ様に折り畳んで使用する様に
します。




■ 基板を折り畳んで動作させる

やり方はアルミアングルを用意して基板にセット、そこからスペーサーを立ててもう一枚の基板を取
り付けます。アルミアングルを使うのは重ねる基板のネジ穴を確保するのと、基板サイズが大きい
ので反り防止も兼ねています。下の写真左が今回作ったやつ。写真右は過去に作った720°と並べ
たところ。




次に基板の接続。接続はカードコネクタとエッジコネクタになっています。720°の時はカードコネクタ
は手持ちの生基板で使える部分がありましたので、その部分を切り取って使用、一方エッジコネクタ
は任天堂の初代ファミコンのカセット接続のコネクタを2個使用して長さを延長、何とか接続しました。
それで今回ですが、エッジコネクタの方はピッタリな物を注文、入手しておきましたのでそれを使用し
ます。問題はカードコネクタ。前回の様な都合のいい物はもうありません。そこでパーツ屋を当たった
ところ使えそうな基板を見つけました。材質はガラスエポキシ、コネクタと同じピッチでパターンが作ら
れています。ただしパターンは片面だけ。しかしながら厚さが0.8㎜なので、2枚を貼り合わせたら両面
パターンの厚さ1.6㎜になり、今回の用途にピッタリの物になって使えそう。そこでこれをエポキシ系接
着剤で貼り合わせて万力で一晩固定します。エポキシ系接着剤が固まったら丁度いいサイズにカット、
接合部をヤスリで仕上げます。




カードコネクタの準備が出来たら早速配線に掛かります。実は基板から出ているカードコネクタは表面
は各種信号線なのですが、裏側は出ている端子がそもそもくし状になっていない一体型。要は電源用
のベタ端子。なので一本一本配線する必要は無く、まとめて繋いでおけばいいのですが、裏表を異な
る構造にするのも面倒なので同一構造で製作しています。




次は基板に接続するハーネスを作ります。ハーネスはJAMMA化するのですが、この基板では電源は通常
のJAMMAの他に-12Vが必要です。JAMMAコネクタに-12Vはありませんから別途出す必要があります。
この部分の接続をどうするか考えていたのですが、結局一般的なDCジャックを使う事にしました。現在主
催者が使っている電源には-12V出力があるので、こちらはDCプラグを付けて対応します。もし電流容量が
足りない場合とか、-12Vが無い他の電源を使う場合は、ここに一般的なACアダプタを接続する事により外
部供給が可能になって便利な為です。下の写真左が完成したハーネス。音声はライン出力で出ています。
写真右がゲームを起動したところ。無事起動して一安心。




■ コントローラーの整備

さて次はコントローラーの整備です。前回の”チェイスH.Q.2を起動”では車のハンドルコントローラーを
準備しましたが、こっちはバイクコントローラーです。うむ、4輪車の次は2輪車か。何かゲンがいいぞ。
バイクコントローラーは左右旋回のロール動作と、左右グリップの部分が傾くピッチ動作をします。これ
は以前UPした同じアタリ社のスターウォーズのパネルとほぼ同じ動作です。





パネルの下側。スターウォーズパネルと同じ構造ですが、ギアの取り付け向きが変わっています。スター
ウォーズではギアが外部に出ていましたが、こっちは内側に付いています。見たところ大きい方のギアは
スターウォーズと同じ物の様です。




パネルを取り付ける台座を作ります。パネルは少し傾斜していた方がプレイし易いし、オリジナル筐体でも
その様に付いていました。しかしその様にセットしようとすると、台座そのものを傾斜しなければならないと
言う事が発覚。これはバイクハンドルのパネルの曲げがほぼ90°であるため、台座を直角に組むとパネル
が水平になってしまうのです。ここは面倒ですが、台座に角度を付け、パネルが傾斜する様にします。なお
パネル高さは低めの方が扱いやすいですが、あまり低くするとロール動作の軸がつっかえます(下の写真
中)。とりあえずギリギリまで低くして底板の軸の部分を5㎜程度彫りこんでかわします。




次は台座のサイドパネルです。これは当初は木材で作る予定でしたが、前回のハンドルコントローラーと同じ
く鉄板で行く事にしました。理由はパネルに空いている取り付け用の穴が前面の折れ曲がった板金の下部分
にしか無く、他に空いている穴はパネル内側にあるロック用の金具だけしか無いので、どうも良い固定法が思
い浮かばなかったのです。それでサイドは金属にして、固定は内側のロック金具の角穴を通じて蝶ネジで固定
する方式にしました。なお鉄板だと左右幅が数センチ短くなると言う利点もあります。




台座は完成しました。ここでパネルを取り付ける前に軽くメンテを行います。このバイクコントローラーは僅か
にサビ等ありますが、動きはスムーズで特に分解修理等は行わずに行けそうです。まず最初にグリップ基部
のカバーを外すと、中にはリーフスイッチが!(下の写真左)。リーフスイッチ自体がそもそも大きいのでキチ
キチに収まっています。リーフスイッチは左右にありますが別々に出力されています。これはゲームプレイで
はどちらもスロー(投函)ですが、1P、2Pのスタートやテストモードで異なる動作をさせる為に別々になってい
る様です。次にグリップ中央のカバーを外して見たところ、こちらもスターウォーズパネルとほぼ同一の構造で
した。




メンテはまず古いグリスやホコリを洗い流し、新たにグリスアップします。メッキ部分は落とせるサビは
なるべく落とし(完全には落ちない)、後はコンパウンドで磨きまくる!その結果、完璧では無いがまず
まずの光具合に。後は化粧シート等も洗剤でクリーニングします。それで組み上げたのが下の写真右。




しかしここでハンドルを操作すると縦方向にハンドルがぐらつきます。先ほどのメンテ時には特に不具合は
確認出来なかったのだが。仕方なく再度台座から取り外し、ハンドル基部を注意して見ると、パネル面に固
定する鉄板とロール軸を支えるコの字型の金具の接続にガタがあります。この部分は長穴にはめ込む様に
なっているのですが固定が外れているのです。と言いましてもロール軸のシャフトが外れない限り、完全に
外れる事は無いのでプレイ不可と言う訳では無いのですが。しかしこれではいかん!面倒ですがバラして
修理します。下の写真は接合部をバラしたところ。本来の組み立て方を想像すると、長穴にはめた後、上か
ら接合部の角をつぶして固定したと思われます。ハンドルには大きな力が加わりますから接合部が耐えき
れず固定が外れたと思われます。




修理法としてはこの部分を溶接でガッチリ接合します。鉄板が厚いので溶接はラク。と言うか最初から
しっかり作ってくれと言いたい。全部バラくと後の仕事が増えるので配線とかそのままの状態で溶接。
で、溶接をしたのだがあまり上手く出来ない。鉄板を磨くと銀色に加えてオレンジ色が見えるので鉄板
に銅メッキ→ニッケルメッキ→黒塗装なのか?溶接部をよく見ると部分的に細かいクラックが出来てる。
まあしっかり付いているからいいか。下の写真右は再度組み立てに掛かるところ。ここで改めてグリス
UPをします。このハンドルはロール軸の摩耗は殆ど無い様だ。




下の写真左はロール軸の末尾。ここに切れ目を入れたワッシャが2枚入っていた。前オーナーがワッシャ
で縦方向のガタを打ち消していた様です。おかげでハンドルのセンター復帰が重かった。これはもう不要
なので取り外します。写真右は修理後の接続部。上からの溶接なので外観上の変化はほぼありません。 




最後に基板とパネルを繋ぐコネクタを配線、鉄板に取り付けます。鉄板にはテストとクレジットスイッチ
も付けてあります。さあ、これでいよいよ念願のプレイです。




クレジットを投入、スタートは左側の新聞投函ボタン(右側ボタンは2Pスタート)。スタートするとゲーム
レベルの選択画面が出ます。とりあえずイージーを選択。ゲームレベル選択画面ではメッセージボイス
が出る時があるのですが、それが結構長かったりするのでまずそこで感動。ゲームが始まると画面下
からペーパーボーイがキコキコと自転車を漕いで登場。自転車を漕ぐ音(効果音)は無いのですが、実
際その様な感じで登場します。で、自転車の操作だが・・・。これが難しい。自転車の挙動は妙にリアル
で加速、減速はタイムラグがあるし、ハンドリングも進行距離に応じて有効になります。とっさの回避は
出来ないのだ。生け垣や側溝にはまる、喧嘩しているおっさんはだんだん道路に出てきてぶつかる、猫
はわざわざタイミングを見てぶつかってくる。そして車に轢かれる。障害物にぶつかった時はご丁寧に
箱をかぶるペーパーボーイ。しかし交通事故の時は箱をかぶる余裕は無いし自転車も壊れた模様。これ
では金を稼ぐつもりが大損ですな。




ゲームは15回ぐらいプレイしてやっと3日目に到達するありさま。金儲けの為には更なる苦難の道を乗り
越えなければならないのだ。さてその日の新聞配達が終わるとなぜか新聞配達の装備のままオフロード
レースに突入。ここでは余った新聞をマトに投げつける競技が開催中!そしてゴールすると大勢の観客
に迎え入れられるペーパーボーイ。うう~むこれはオフロードレースも業務の一端なのか?それともレー
スに出たいが為に新聞配達で資金を稼ぎ、あまつさえ残った新聞をマトに当てて鬱憤をはらしているペー
パーボーイと言う解釈でいいのか。




面クリアをするとリザルトの画面が出ますが、そこで配達ミスがあると契約をキャンセルされてしまします。
その時の音楽がショボ~ンとした感じで笑えます。で、次の面(翌日の配達)が始まるとハープの音色が
ポロロ~ン。なんかこれがまたひょうきんで笑えます。


■

■ ペーパーボーイハンドルでアタリ スターウォーズをプレイ

専用ハンドルで無事ペーパーボーイがプレイ出来ました。そうなるとやはり?このコントローラーで他の
ゲームもプレイしたくなるのが人情。そこで思い浮かぶのは殆ど同じ操作系のアタリのスターウォーズ。
もしこれが上手くプレイ出来ればXウイングがチャリ仕様になり胸熱。それでスターウォーズのヨークコン
トローラーの接続コネクタを調べて見ると、ピンアサインも含めてペーパーボーイと全く同じ。変換コネク
タを使わなくてもそのまま差し替えるだけで行けそうです。




早速ゲームスタート。あれ?ハンドルの可動範囲が足りず画面の端までカーソルが行かないぞ。まあいいや。
かまわずゲーム開始。お、おう。そのままプレイ出来るやん。だけどヨークコントローラーよりハンドルが重いし
ボタンもリーフなのでなんか勝手が違うぞ。これはヨークコントローラーよりも高いフォースが要求されるぞ。




Xウイングをチャリハンドルで操縦する目論見は見事に成功。と言うか液晶の後、ブラウン管を見るとやっぱ
眩しい。


■


ゲームプレイ!




アタリ ペーパーボーイをプレイ トップ